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「試合、見に行けるの?」
「イケるイケる。練習試合やもん。俺もバスケ部なんや」
東雲は少々驚いた。宇野は背は高いが、西門や栗栖と比べると気弱そうに見えた。授業中に見た、あんなタックルからは逃げ出しそうだ。
「そうなんだ。バスケ部って、部員多いよね」
東雲はオムそばを飲み込んでから聞き返した。体育館を覗いた時の事を思い出した。
「D組は俺と圭と栗の3人やけどな。俺ら小5でミニバス入って、ずっと一緒なんや」
宇野の説明に東雲は頷いた。
ケイって…西門のことか。ああ、それでこんなに仲が良くて、お母さんもこんな場に慣れてるんだ…。
「こいつと栗な、他校にファンクラブあんねんで。チョー羨ましいやろ!」
親指で西門を指さして、宇野が悔しそうに口元を歪めて笑った。
「あ、栗は元カノだけでファンクラブになるくらいおるな。圭もモテるのに、彼女、作れへんのや、もったいないやろ~」
そりゃ、西門は背が高くて、あんなに飛べてバスケが上手いんだもん。モテて不思議じゃないよな。
「マザコンかシスコンかホモかチョー面食いかチョー奥手か、どれやと思う?」
おどけて見せた宇野に、西門が指で作った銃を向けた。
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