第6話 関東's転校生in本場たこパ

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「……ごめん。知らないや」 「え、ええ? 商店街の店先で、おばあちゃんが焼いてんのんとか、ホンマ見たことないか? えー匂いするやろー? 部活帰りやったら素通りでけへんで!」  ニコニコ嬉しそうに話す西門の顔を見ていると、本当においしそうな気がするから不思議だ。けれど、東雲にはいくつも疑問が湧いて出る。 「だいたい、ホルモンって何?」  東雲が問うと、西門は赤いちょうちんを指さしながら説明した。 「えーと…。確かあれは、“ほる”もんを焼いてるからホルモン焼き言うらしいねん。ホンマはよー知らんけど」 「“ほる”もん?」  やっぱり意味不明だ。  東雲は首を傾げた。 「えっと…あんな、“ほる”つまり“捨てる”もんって意味や。…喰ってみたらわかるんちゃうか?」  西門は明るく笑う。反対に東雲の顔はちょっと青くなった。  衝撃の事実…。いったいその正体は何なんだーー! 気になる! 捨てるモン…でも甘辛い脂のいい匂いがするー。  東雲には嗅いだことのない匂いだった。
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