第6話 関東's転校生in本場たこパ

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 東雲は首を傾げた。  駅に向かう歩道を歩く二人の足元で風が舞う。火照っていた頬はいつの間にか少し冷えた。薄暗くなった街灯が照らす東雲の横顔は寂しげだった。 「そっか…。なるほどな~。そいで、東雲は最初、何や、つまらなそうに見えたんやな~。東京と家族が別れてもたから…。そりゃ、しゃーないわな。寂しかったりしんどかったり、いろいろあるわな~」  西門は少し考えていたが、東雲を見下ろすと念を押した。 「わかった。ほな、東雲がここにおるのは後、2年ってことになるんやな?」 「え? うん、まあ、計画ではね」 「よっしゃ!」  西門はひらめいた! というように、ぽん! と片手に拳を打ち付けた。パッと表情が明るくなる。 「目一杯、O阪を楽しまんと勿体ないで! こんなおもろいトコ、日本中のどこにもないねんで!」  西門は嬉しそうに、その場でピョンピョンと跳ねた。 「楽しみやな~! どこ行こ! 旨いモンもぎょーさん喰いに行かな! おもろいトコも!」 「……」 「よっしゃあ! わいに任せとき! 絶対、楽しい2年間にしたるで!」
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