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クラブ発表。それは、四年生からの入れるクラブ活動の面白さを、下級生にアピールするための行事だといっていい。
まんがクラブの場合は画用紙にメンバーがそれぞれイラストを描いて、このクラブの面白さを新入生にアピールするという形となっている。あたしの班は全員で四人。本来なら、四人で画用紙を四等分して絵を描くか、あるいは全員思い思いに絵を描いてそれをどーんと見せるかのどっちかがベターだったことだろう。
が、そもそもあたし達は、亜美子を仲間に迎え入れる気持ちなんかこれっぽっちもない。大体、彼女の絵は妙に乙女チックであたし達の趣味にも合わないのだ。全体のイメージを損なわれても困るというもの。よって。
「画用紙に書く前に、練習しよう!」
あたしはみんなに向けて提案したのだ。いつも使うコピー用紙を全員に配って。
「上手な人ほど、たくさん画用紙に描けるってことにしたらどう?」
「お、賛成!」
「いいねー!」
「え、え、でも……」
「いいからいいから。あんたも上手に描けばそれでいいのよ、亜美子」
「う、うん……」
またしても空気を読まず文句を言おうとした彼女を黙殺し、あたし達は全員コピー用紙に絵を描きはじめた。――わかりきったことだが、これは出来レースである。最初から、亜美子の絵が下手くそであることを指摘して、描くスペースをほとんど与えない口実にしようと思っていたのだ。
案の定、彼女はいつもの“超乙女チック”で“気持ち悪い女の子”の絵を描いてきた。魔法少女のアニメを真似したようだが、まったく似ていない。あたしを含めた残る三人で、彼女の絵に“アドバイス”と称してこき下ろしまくるということをした。目が大きすぎる、女の子が可愛くない、手足の角度が変、長さがおかしい、そもそもこういう場でマスコットじゃなくて人間を描く時点で空気が読めない、全体のバランスを崩す、もっとアニメっぽくない絵を描いてほしい――などなど。
最初は大人しくあたし達のアドバイスを聞いて絵を描きな直していた亜美子。しかし、次第に“どう転んでもOKが貰えない”事実に気付き始めたのだろう。ついに、半泣きになって言ったのだった。
「なんで?どうすれば、みんなに満足してもらえるの?どうすれば、私の絵、画用紙に描いていいことになるの?」
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