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「まだ意識が戻らないの」
裕香が寝かされているベッドに近づくと真殿がそう言った。
「此処に居るのは私を含め女性。だから、私達は、レイちゃんとしか名を呼べない。それでは、レイちゃんの心に届かないの」
「んで、和馬は?」
「無事に産まれたわよ」
真殿とやり取りをした後、裕香の傍に行き、耳元で裕香に呼びかける。
「裕香、俺達の大事な和馬が無事に産まれた。だから、なんも心配ねぇから目を覚ませ」
左手を握り、髪を撫でながら、何度も声をかけ続けた。
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