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暫くして、瞼を開けた裕香。 「…和……樹…」 「良く頑張ったな」 俺の名を小さく呟いた裕香に俺が言った言葉。 すると、真殿が和馬を裕香の胸の辺りに寝かせた。 ウギャーウギャー! 和馬の元気な泣き声を聞いた裕香の瞳から涙が溢れ出す。 そして、俺の瞳からも一筋の涙が流れた。 「裕香、和馬を産んでくれてありがとうな」 裕香にそう言った俺に、真殿が和馬を抱かせてくれた。 「和馬、産まれてきてくれてありがとう」 自然と言葉にしたのは、自分の子である和馬が愛おしいと思ったからだ。
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