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「和樹」
「ん?」
「私を母親にしてくれてありがとう」
「俺にも礼を言わせろ。俺を父親にしてくれてありがとうな」
病室のベッドの上に寝ている裕香。
膝立ちをして、裕香の手を握る俺。
血の繋がった本当の家族が、俺にも裕香にも出来た。
その大事な家族を守り続けるのは、和馬の父親であり、裕香の旦那である俺。
今だに、恋愛感情なんてモンは知らねぇが、裕香の事が愛おしくて堪らねぇ。
俺が見据える未来には、笑いの絶えない家族が居る。
新しい人生のスタート。
死ぬまで家族を男として守り抜く。
改めて誓った日になった。
愛おしい裕香と一緒に、家族を大切に生きていくと……
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