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「どちらにせよ、また賑やかになるの」 なんて言った爺さんは、目尻を下げている。 「人には、それぞれ言えない事もあるもんじゃ。じゃが和樹は翔太を追い返しはせんじゃろ。皆、大切な家族じゃからな」 爺さんの言葉を聞いて、俺と裕香ちゃんは強く頷いた。 兄弟仲は悪くない和樹と翔太。 1人で、車椅子に乗り、この街に来た。 行動するのにも、それなりの勇気が必要だったと俺は思う。 『翔太君、私はあなたを歓迎する』と言ってフワリと微笑む裕香ちゃん。 その顔を見てときめく俺は、何処までも裕香ちゃんの事が好きなんだよな。 片想いだけど……ガックシ!!
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