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いつもの時間に『裕香、ただいま』と言って病室に入ってきた和樹は『和馬、ただいま』と言うと、和馬を抱っこする。 「あのね、今日、翔太君が来たよ」 私がそう言うと、和馬から視線を私に移した和樹。 「理由は、聞いていない。だけど車椅子に乗って、1人で和樹を頼ってこの街に来た。凄く勇気が必要だったと思う」 和樹は和馬をベビーベッドに寝かせると、私の前に膝立ちして私の手を握った。 「正直、どんな顔をして翔太に会ったら良いか分からねぇ」
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