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「翔太、帰れとは言わねぇが何があったか話せ」 俺の言葉に頷いた翔太。 「僕は、小さな時から兄さんが好きだ。 でも、両親は違う。 兄さんの優しさを知らない癖に悪口を言うんだ。 僕が車椅子生活になったのは、僕が悪いのに聞く耳を持ってくれない。 ずっと前から、僕は家を出る事は決めていた。 だけど、僕には勇気がなかった。 兄さん、僕は兄さんの傍に居たい。 手がかかるかも知れないけど、僕は僕が出来る事を自分でするから、この先も兄さんの傍に居たいんだ」 翔太の話しを聞いて瞼を閉じた俺。
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