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和樹は『やっぱ、ちっせぇな』と言ってから、和馬を抱いた。 「此処で待ってる」  私の言葉を聞いた和樹は、和馬を抱いたまま浴室のドアを閉めた。 『和馬、髪を洗うぞ』 浴室から聞こえて来るのは、和馬に話しかけている和樹の声。 和馬が産まれてから、明美先生にお風呂の入れ方を聞いていた和樹。 本当に、家族想いの優しい人。 だから、私はきっと幸せだと思える。 暫くして、浴室のドアが開いた。 『コイツ、泣かねぇな』と言った和樹は、バスタオルを広げている私に和馬を渡して来た。
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