(27)

14/24
前へ
/350ページ
次へ
「和樹、土曜日の夜から彫る事にするかの。熱が出たら、仕事に支障が出るからの」 夕飯を食べながら、そう言った爺さんに『あぁ』と答えた俺。 『僕、見学して良い?』と聞いた翔太に爺さんは『かまわぬ』答えた。 「ところで、なんで爺ちゃんは、裕香姉さんの事をレイちゃんて呼ぶの?」 翔太のその問い掛けに答えたのは裕香。 「お爺さんに初めて逢った時、名を名乗らなかったから、お爺さんがレイコってつけたの」 「そうなんだ。僕は、やっぱり裕香と言う名前が合ってると思うんだ」 裕香と翔太のやり取りを目尻を下げて頷く爺さん。 それからも、色んな会話をしながら、食べた夕飯は美味かった。
/350ページ

最初のコメントを投稿しよう!

241人が本棚に入れています
本棚に追加