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「そんなに酷い手術跡があったなんて知らなかった……」 和樹の背中の傷跡を見て、そう言った翔太君は俯いた。 「和樹が翔太を命を賭けて守った傷じゃ。守られた翔太じゃて、それなりの代償を受けておる。過去ばかりを見て、嘆き、哀しむのは、簡単な事じゃ。大切なのは、これからどう生きるかなんじゃ」 お爺さんの言葉を聞いて顔を上げた翔太君。 「家族の為なら、俺は、これからも命を賭けて守り続ける」 和樹は、そう言うと、私が渡したタオルを口に咥えた。
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