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「和樹の家族に対する想いも、翔太が和樹に対する想いも、俺が背負ってやんよ」 そう言った恭平君の顔つきが変わった。 普段、話す事が大好きな恭平君。 でも、その顔は彫り師【(きょう)】としての顔なのだと思った。 そして、和樹の背中に、筋彫りを始めた恭平君。 私が見る限り、お爺さんの手法をしっかりと学んだ事が分かる。 夫婦として、私と和樹には絆がある。 その絆とは違う絆が、和樹と恭平君の間にある。 長い間、お互いを支え合ってきた和樹と恭平君。 色んな想いを込め、恭平君は和樹の背中に墨を入れているのが分かる。
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