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「やっぱり、熱が出たね」
デコに冷たい感触を感じ、瞼を開けた俺に裕香が言った言葉。
「気合いで下げる」
なんて言ったが、ガキん時以来、風邪さえ引かなかった俺。
「解熱剤飲む?」
「いらねぇ」
隣に寝転んだ裕香の身体を引き寄せ、裕香の問い掛けに答えた俺。
裕香だって同じ思いをしながら、身体に墨を入れたんだ。
なんて思う俺は、今までよりも裕香が愛おしく感じる。
「裕香、脇腹は、お前が入れてくれ」
「イビツになるかも」
「それでも良い。裕香が彫ったモンならな」
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