(29)

18/22

239人が本棚に入れています
本棚に追加
/350ページ
「裕香さんのご両親のお墓はありません。 でも、お寺に預けてあった遺骨を樹木葬にしたと、亡き【千賀隼人】君が言ってました。 お寺の住所を、今書きますから待っていて下さい」 施設長の言葉を聞いて、私は和樹を見た。 それに気づいた和樹は頷く。 私が出来なかった事を、隼兄がしてくれた。 なら、私は隼兄のお墓に礼を言いに行く義務がある。 「こちらが、住所とお寺の名前と電話番号です」 施設長が差し出したメモを和樹が受け取ってくれた。 『裕香さん、また会いましょう』と言ってくれた施設長に頭を下げて、児童養護施設を後にした。
/350ページ

最初のコメントを投稿しよう!

239人が本棚に入れています
本棚に追加