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1歳と11ヶ月の和馬を抱いているのは、遥さん。
10ヶ月の裕馬を抱いているのは、和樹。
もちろん、お爺さん、恭平君、翔太君も一緒。
お寺の敷地内にある大きな桜の木の下に父と母が眠っている。
線香に火をつけ、決められた場所に、それを置くと手を合わせた。
『ずっと来れなくてごめんなさい。私は、今凄く幸せです。大切な家族が私に居るから見守っていて下さい』
心の中で、父と母に言った言葉。
父と母の写真も焼けてしまったから、もう顔も覚えていない。
だけど、父と母が居たから私が産まれた。
そんな私が和樹に出逢い、和馬と裕馬が産まれた。
『お父さん、お母さん、私を産んでくれてありがとう』
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