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「和馬、今日はすき焼きだぞ」
遥さんの言葉に『あい』と言って片手を上げる和馬。
『肉は遥の奢りだ』と言って裕馬の身体を高く持ち上げる和樹と『キャッキャッ』と笑う裕馬。
「僕、焼き豆腐が沢山ある方が良い」
「ワシはネギ多めが良いの」
「やっぱ、すき焼きには糸コンじゃん」
翔太君、お爺さん、恭平君も、そう言いながら歩き出す。
その後を歩きながら、ふと振り返り桜の木を見る。
『裕香の家族は最高ね』
ずっと昔に聞いた母の声が聞こえたように想い強く頷いた。
母の声を聞いても、もう苦しくない。
私は、これからも笑顔で生きていけるよ。
大切な家族と一緒に……
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