(30)

16/16

239人が本棚に入れています
本棚に追加
/350ページ
「和馬、今日はすき焼きだぞ」 遥さんの言葉に『あい』と言って片手を上げる和馬。 『肉は遥の奢りだ』と言って裕馬の身体を高く持ち上げる和樹と『キャッキャッ』と笑う裕馬。 「僕、焼き豆腐が沢山ある方が良い」 「ワシはネギ多めが良いの」 「やっぱ、すき焼きには糸コンじゃん」 翔太君、お爺さん、恭平君も、そう言いながら歩き出す。 その後を歩きながら、ふと振り返り桜の木を見る。 『裕香の家族は最高ね』 ずっと昔に聞いた母の声が聞こえたように想い強く頷いた。 母の声を聞いても、もう苦しくない。 私は、これからも笑顔で生きていけるよ。 大切な家族と一緒に……
/350ページ

最初のコメントを投稿しよう!

239人が本棚に入れています
本棚に追加