18、幻のキラキラ✨

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18、幻のキラキラ✨

いつも当秘宝館にお寄りくださり ガラクタと 個人的な思い出話(これもガラクタ)に お付き合いいただき どうもありがとうございます😊 古いブローチは家の中に まだまだあると思うのですが とりあえず、 マロングラッセの箱にしまったものは 全てご紹介し終わりました。 最後のご紹介は… 実は、もう、手元に無いのです。 小学校3年生に上がった頃 母方の祖母が 泊まりで遊びにきてくれました。 その頃、父と母は別居して 私と母は2人きり 西荻窪の小さなアパートに暮らしていました。 両親が一緒に暮らしてる時は 家庭は毎日嵐のようでしたが アパートの生活は いきなり真空状態になったみたいに 静かになりました。 するとそれまで親しくしなかった 母方の祖母や伯母たちが 代わるがわる遊びに来るようになりました。 結婚に敗れそうな母娘を 不憫に思ったのかもしれません。 母方の祖母は明治の神田生まれ。 士族の出身、という自負の強い あまり笑わない人で 父方の伯母のように 甘えたりできる感じではありませんでした。 そのおばあさまと、母と3人で 吉祥寺にご飯を食べに行き 街でブラブラしました。 商店街の辻にテキ屋が露店を開き 色とりどりのガラスのブローチを 売っているのに通りかかりました。 キラキラ光るイミテーションのブローチ。 1個¥3000、結構高価。 母なら「あんな下品なモノ」と言って 絶対買ってくれない代物… じっと見てるとおばあさまが 一個買ってあげるわよ、と言うのです。 意外でした。 母の顔色を伺うとニコニコしています。 ベタベタ可愛がらないおばあさまが そう言ってくれたのも嬉しくて 迷って迷って、迷って… いい加減決めなさいと促されて やっと選んだのが ピンク色のお花の形のキラキラ。 あまりに大切すぎて ティッシュに何重にも包んで 出しては見て、見てはしまい を繰り返しているうちに しばらくして どこにやったか、わからなくなったんです。 ティッシュの塊だったので 紙屑に間違えて捨てられたのかも… 1回も使わないうちに 無くしてしまった幻のブローチ。 そのことを書き留めて ひとまず、この秘宝館のお仕舞いとさせていただきます。 現物は記憶の中にだけあるのですが 似たような感じの ヘアバレッタの写真を載せます。 ご来館、どうもありがとうございました。 ee3741da-12bb-4bac-9e35-47ca9c33d077
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