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無人島に移動した日の夜、男女六人が輪になって枯れ木で起こした炎を囲み、お互いの夢や恋愛の話を代わる代わる始める。恋愛よりもホラー映画の話をしている方が楽しいと感じてしまう性格の私は、話が振られないように俯き、缶ビールを口に運んでいた。
「ってかさ、翔子からは全然恋愛の話、聞かへんよね」
真横に座っている大谷美玖が串に刺したマシュマロを火で炙りながら話しかけてきた。面倒くさいという感情が顔に出ないよう言葉を返す。
「んー、あんまり興味ないから」
私が苦笑いを浮かべながらそう言って缶ビールを飲み干すと、斜め前に座っている安原大地が「可愛いのにもったいない」と口にした。
安原には何度か告白されている。その度に断っているが、諦めてくれる気配はない。
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