震 告

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 翌日、美玖の寝相の悪さで目覚めた私がテントから出ると、安原の背中が見えた。海に向かって一人、ストレッチをしている。 「おっ、翔子大丈夫か? みんな、めっちゃ心配してたぞ」  そう言って顔だけ振り返った安原。その顔は、震えていた。心なしか、昨日よりも震えが大きくなっているようにも感じる。表情は全く分からない。まるで顔にモザイクが掛かっているように見える。 「ハハ、なんやその顔。まだ寝ぼけてるんか? ちょっと素潜りして魚ゲットしてくるわ」  安原はそう言って親指を立て、海に向かって走っていった。  まだ夢の中にいるのかと頬を抓ってみるが、痛みはしっかりと感じる。テントで眠る美玖を始めとする女子の顔を順に見ていくが、顔が震えて見える人間はいない。安原だけだ。
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