震 告

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 大きく溜息を吐きながらスマートフォンを手に取る。気分転換に推しのブログでも見ようと思ったが、電波が入らないことに気づいて写真フォルダをタップする。  この島に辿り着いてから撮影した集合写真で指を止めた。海をバックに六人が思い思いのポーズを取っている。安原に視線を向けると、首から上だけがピンボケになっていた。 「ひっ」と思わず声を上げ、スマートフォンを足下に落とす。落下音で美玖が目を擦りながらむくっと起き上がる。 「ん、今何時?」  美玖が目を擦りながら私に問い掛ける。私は慌てて拾ったスマートフォンをタップし、「九時過ぎたとこ……」と消え入るような声で応えた。 「もう九時か。男子は誰か起きてるんかな?」 「安原が潜って魚捕ってくるって。ってかさ、安原の顔、震えて見えたりせぇへん?」  しゃがむのに合わせ、自分だけでは無いのかもと思い切って聞いてみる。
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