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王様は、しばらくしてから、大きく頷きました。
「それは素晴らしい案だ。
ぜひ、祝福を授けてもらおう。」
「ですが、王様…」
心配そうなお后様に、王様は再び頷きました。
「わかっておる。だが、心配はいらない。
私たちも同じように歳を取らないようにしてもらえば良いのだ。
そうすれば、皆、いつまでも元気で暮らせる。」
「その通りでございます。
王様、王妃様は元より、この城で働く者全員が歳を取らないようにするつもりです。」
「まぁ!」
お后様は、驚き、やがて、静かに微笑まれました。
「サンドラよ、そなたは、本当に優れた魔女だ。
では、頼んだぞ。」
「はい。では、まずは姫様から…」
魔女・サンドラは、ジョセフィーヌの寝台の傍に寄り、呪文を唱え始めました。
部屋の中に、サンドラの低い声が流れます。
難しい魔法なのか、呪文は延々と続きます。
サンドラの声はやがてだんだんと小さくなり、顔色は悪くなっていきました。
「う、ううう……」
サンドラは急に呻き声を上げると、その場にばったりと倒れました。
「サンドラ、どうしたのだ!?」
サンドラはピクリとも動きません。
すでに、事切れていたのです。
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