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これは一大事と、医師を呼びましたが、サンドラは二度と目を覚ますことはありませんでした。
「魔法使いの寿命は長いですが、サンドラはもう既に相当年老いていました。
確か、七代前のリチャード王の時からおりましたからな。
寿命が尽きてしまったのでしょうな。」
執事のバイゼンが話します。
「ジョセフィーヌに授けた祝福はどうなったと思う?」
「無効でしょうな。そもそも歳を取らない魔法はとても難しく、さらに、魔力も相当必要で、余程優秀な魔法使いでなければ使えないと言われております。
確かにサンドラは優秀な魔法使いでしたが、あの歳です。
魔力も充分ではなかったでしょうし、呪文を一言間違えただけでも効果はないらしいですから。」
「そうか。そんなに大変な魔法だったのだな。
それでは、この城の者全員にその魔法を掛けるなど、夢のまた夢だったのだな。
ならば、失敗でよかった。
ジョセフィーヌだけが赤子のまま歳をとらなくなってしまったのでは、大変なところだった。
私は舞い上がって、事の重大さに気付いてなかったのだな。
こう言ってはなんだが、失敗してくれて良かった。」
王様を始め、城のみんながほっと胸を撫で下ろしました。
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