ポケットに棲むトカゲ

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「わかった。私、絶対に話さない」  瑞希の顔が安堵に染まる。 「ぜったいだよ。僕が男なのは秘密だからね」  え?話せるのは秘密じゃなくって男?  まさかの言葉にわたしは戸惑う。 「先生は知っているけど、見つからないように女の子のふりをしてるんだ。もしかして気づいてなかったの?」  私が話せることに驚いていただけだと知って、瑞希はしまったという顔をしている。 「男だとばれそうで話さないようにしてたんだ」  なるほど納得だが、早とちりにもほどがある。  瑞希の見た目では声が少し低いぐらいで、男だと思うはずもない。  たとえ一人称が僕だったことに気づいていたとしても、女の子以外の何物にも見えなかった。  女の私よりかわいいなんて反則としか言いようがない。
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