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瑞希にはあわない、ひどく小さく見える服二着を一日おきに着ているから、お金がないのだろうという噂になるのはわかる。
真冬になっても信じられないぐらい薄着で、夏が来ても冬と変わらない服で過ごしているところを見ると、本当に着る物にさえ困っていたのかもしれない。
そんな瑞希と話をする人はほとんどいなかった。
必要最小限のことは話すが、それ以上は続かない。
私も何度か話しかけてみたが、瑞希は頷いたり首を振るだけで声を出すことさえない。
声が出せないわけじゃない。
小さな声で何を言っているかはわからなかったが、先生と話しているのを見たことがある。
何が理由で話さないのかはわからないが、話したくないならそっとしておこう、私はそう思って話しかけるのをやめた。
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