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三年目の冬が来ても瑞希は同じ服を着ていた。
袖の長さはすっかり短くなり、スカートから見える足も細く長くなっていた。
去年も一昨年もそんな風には思わなかったが、あまりに寒そうでこっちが凍えそうな気持ちになる。
そんな瑞希を思い出しながら、私は従姉からのおさがりを袋に詰めていた。
従姉の服は可愛いくて好きだが、たまには新しい服を買ってもらいたいのだ。
従姉の服がなくなれば買ってもらえるし、瑞希も喜んでくれるに違いない。
一石二鳥、そんな気持ちで用意した袋を、夜にこっそり抜け出した私は、瑞希の家の扉につるして家に戻った。
時はちょうどクリスマスイブ。
サンタにでもなった気分で、その日はとてもいい気分で眠りに落ちた。
学校は休みに入っていたから、瑞希にしばらく会うことはない。
お古とはいえ喜んでもらえると思い込んでいたから、次に会うのが楽しみでならなかった。
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