ポケットに棲むトカゲ

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 そう思っていたのに翌朝、瑞希が家にやってきた。  インターフォンに映る瑞希を見て私は急いで飛び出した。  どうして私からだってわかったんだろう?  これをきっかけに仲良くできるかもしれない。  そんなことを考えながら扉を開けたのだが、瑞希の顔を見て私は凍り付いた。  ひと目で怒っているのがわかる。  泣いているようにも見える。  様々な感情が渦巻くのを必死に抑えているようにも感じる。  インターフォンの映像はぼやけて表情まではわからなかったが、もししっかり見えていたら私は扉を開けられなかったかもしれない。  私を見つめ続ける瑞希から目が離せない。  緊張の時間が流れた後、いつものように無言で投げるように服を返してきた瑞希は、そのままくるりと後ろを向いて走り去った。
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