17人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
小学三年生の時に引っ越してきた瑞希は同い年とは思えないほど大人びて見えた。
転校生が来ることなんて滅多にないど田舎で、瑞希はひどく目立っていた。
田舎は話が広がるのが早い。
瑞希が母親とともに逃げてきた話は、すぐにみんなの知るところになった。
「あいつ、父ちゃんに殺されかけて逃げてきたらしいぜ」
誰も二人が逃げてきた理由までは知らず、うわさに尾ひれがついていく。
「俺はその父親を返り討ちにして警察に追われてるって聞いたけど」
ばれないように名前も学年もごまかしているに違いないと彼は言う。
出なきゃあの大人びた雰囲気はおかしいと言いたいようだ。
「国外逃亡しようとしたけど借金だらけで無理だったって」
最初のコメントを投稿しよう!