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嘘から始まる関係
「……離してよ」
そう私はレオに呼び掛けた。
アイドルであるレオは街を歩けば女性の視線を集めるような端正な顔立ちの持ち主だ。
そんな彼が私の手をぎゅっと握り、色っぽい視線をこちらに向けている。
傍目から見たら言い寄られているように見えるだろうけど、それは違う。
「俺を弟子にしてください!」
そう言って、レオは、憧れているゲーマー「Uura」に弟子入りを申し込んだ。
しかし、彼は知らない。そのゲーマーの正体が犬猿の仲のマネージャーである私だということを。
どうして、こんなことに……。
私は天井を仰ぎ、今すぐ時を戻したいと切実に願った。
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