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 本部からの情報によると、最後の2人で生徒は全員帰還になる。  恐ろしいレースになったが、死傷者が出なかったのは良かった。ただ、レース運営については後程、問題になるだろう。今頃、大会運営委員長代理の牛窓(うしまど)はどんな顔をしているのか……。  揺れる海燕(うみつばめ)にへたり込んで、海水を(したた)らせながら航太郎(こうたろう)は、晴海(はるみ)を見る。 「松平(まつだいら)さん、ありがとう。ほんとに助かったよ。あの状況の中、僕はどうしていいのか分からなかった」 「あの子もう、パニック状態でしたからね。先生、ああなったら誰が何を言っても無駄です。ただ、何としてでも生還することだけを考えないと」 「そうだね。松平さんもいままでいろいろな事を経験してきたんだね。また、教えてください」 「え? そんなあ、私が先生に教えるなんて。先生も的確な救助活動でした。鬼無(きなし)先生だからこそ、死傷者を出さずに済んだと思います。生島(いくしま)先生が言った通り、先生の補佐をしてよかったです」  晴海は、まだ周りの海面を確認しているようだ。こんな女性が、こんなにも強い人がいるなんて……。  鬼無航太郎は、沖に向かって叫んだ。 「まだまだ、日本の海は捨てたもんじゃないぞ!」    終
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