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私は再び目を開いた。早朝のひんやりした空気が感じられた。グレイが私をのぞきこんでいる。
「気分はどうだ」
「……混乱してる」
そう言うしかなかった。
これまで悲劇の終幕しか知らなかったのに、そこに至る物語を何百と見せられた。
全てが根底から覆され、もう彼らを思い出すと眩しい。
彼らは可哀想なだけの戦士ではなかった。相手がどれだけ強くても覚悟を決めて、自らの意思で戦った。私が見たこれまでの光景は、その最期の一瞬だけを悪意を持って切り取ったものだった。
――これじゃ、まるで。
「全ての死にあんたが責任を負うことはないって、やっとわかった?
皆、自分の意志でここに来て戦ったんだ。希望を夢見て」
「……」
「知らないほうがよかった?」
私は首を振る。
「だけど私の愚かな言葉は、罪は……消えない」
グレイはいつかのように、私を抱きかかえた。
「見せたいものがある」
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