見舞い

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「あんたはあんたの道を見つけなきゃいけない。助けてもらったからグレイ先生の役に立たなきゃと思わなくてもいい。先生はたぶんそんなこと望んでないだろうよ。  まだ万全じゃないだろうから、不安になってあれこれ考える夜もあるだろう。  ただ、死んでしまえば人間それまでさね。本当に、それまでだ。  そんで、死の間際に『やっぱり生きたい』と思っても、やり直しはきかないのさ」  話を聞きながら、私は考えていた。  わたしのせいでたくさんの人が死んだから、呪われているから、過去を思い出した時、私は死ななくてはいけないんだと、今朝の今朝まで思いつめていた。  もしかして、違うんだろうか。私は生きるに値する人間なんだろうか。誰かを幸せにできる可能性を秘めた人間なんだろうか。  そしてそれを明らかにするためにはやはり、過去を知ることが必要だと思った。過去の延長線上に私がいる。記憶をなくす前、どういう人間だったのか、これからどう生きるべきなのか、「知りたい」と思った。 「あたしは、あんたにまた店に来てもらいたい。待ってるよ」と言って、ルイーザは帰っていった。
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