はな

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自分が嫌だ嫌いだ。 あの時の君と同じ言葉が脳裏に浮かんでふっと笑みがこぼれた。 ああ、あの日の君も似たような気持ちだったのかもしれない。軽く風にさらわれるだけの初雪が降る日だった。あの日以降頬に当たる風が少し痛いこの場所に来ることは二度とないと思っていた。当時は僕の言葉が届かないのは君がひねくれ者だからだと考えていたけれど、今ならわかる。僕の言葉は耳当たりの良い上辺だけの言葉で君のことを考えてなんてちっともなかった。 今あの時と違うのは君がいないことだけだろう。 風を切る音が耳を打つ。体が軽くなる感覚と上へと舞う雪の花を見つめながらそっと目を閉じた。 ああ今幸せだ。
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