白金のダンジョン

出陣

ダンジョンに向かう者の多くは男だったが、教会や自治団体は女性の活動者が殆どだ。彼女らの旦那は生計をたてるのに必死である。故にダンジョンへも女性でチームを組むことになろうとしていたが、そこに参加したいと齢12、3才ぐらいの孤児の少年フリーデンが手を上げた。
「僕も行きたい！もう直ぐ仕事につきますし、この教会しか知らないからダンジョンで宝とか見てみたい！」
それをみてもう一人同じ年頃の少年ベッテルが手を挙げる。
「僕も行きたいです。フリーデンに遅れを取りたくない」
その二人を心配そうに見守る孤児達がいる。大人達は何度もついてくる事を止めたが二人は意に介さずそのままダンジョンに向かう事となった。
ダンジョンにはモンスターが溢れかえっている。ダンジョンといえば闘うというのを夢に見る者が多いが、その圧倒的な強さから足止めを行うくらいが精一杯であり、とにかく走り回り宝を持ち帰るそれが殆どの人間ができる事だった。
教会の人間で唯一戦えるのはマジェスティぐらいだろう。彼は元はダンジョン攻略の波に一番に乗って、此処に拠点を構えた人間で仲間を失ったことや、次第に子供にとって劣悪な環境になった事で教会の行っている業務に感銘を受け与する様になった。
彼を先頭にダンジョンへと足を向けるのは、医術の心得が頭抜けているエウロパと、大柄ながら俊敏な動きを見せるイオ、更には器用さが目立つメティスと少年二人がダンジョンに立ち向かう。。