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第1話 早熟だった私
母は幼い私に「お前は幸せ薄い女に成るねえ……」と意味深な言葉を掛けた。
私は30才に成るまで気にもしなかったが、最近それも嘘じゃ無かったんだなと思うようになった。
私は早熟だったのか、14才の頃には、はち切れんばかりの乳房の大きさを誇っていた。
同級生の男子からは、よくからかわれたが、年上の男性からは可愛がられた。
今思うと、彼らには下心が有ったのかもしれない。何と言っても、彼らは私と話をしていてをしていても、チラチラと私の胸に視線が行くのが分かったから。
最初の過ちは、父親が他界して母が再婚した相手を寝取ってしまった事だ。
私も年頃で男性に興味が有ったし、彼が私の身体をタッチする事で微妙な快感を覚えたからだ。
勿論貞操観念が強ければ彼を拒否する事も出来たのだが、それよりも好奇心のほうが勝ってしまったということだろう。
しかし、悪い事は出来ないもので、彼が私の身体に執心して愛撫を加えている最中に、母は音を立てずに帰宅して部屋の戸を開けた。
修羅場は、その日、彼が家を出ていく事で沈静化した。
彼は二度と家に帰って来なかったが、一度私を街中で見つけて喫茶店に誘われて話をした。
母とは会いたくないが、私とは時々会いたいと言った。
その時は言葉を濁して曖昧な返事をしたが、高価な物を買いたくなった私は、電話で彼にお願いしてみた。
彼は快く、それを買い与えてくれ、当然のようにホテルに誘われた。
彼は室内で、不自然に紳士に振る舞ったが、私のほうが哀願して関係を結んだ。
後になって思ったのだが、一服盛られたのだろう。
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