第32話 子供の教材の営業を

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第32話 子供の教材の営業を

ファミレス勤務もイヤでは無かったが、以前 保険の営業をしていたので、結果さえ出せば収入が良い営業職に就いてみた。 今度は子供の教材を売る会社だ。 一日100件訪問して、当たりが2~3件ある。 話を聞いてくれるのは3割くらいか……。 子供の教育については食い付きが良い。 研修を受けて分かった事は、小学1年生から中学3年までの9年間の教材のフルセットの契約だと150万以上に成ること。その成功報酬は15万に成ることだ。 〔小型車1台分かあ……そんな契約結ぶ人居るんだなあ。〕 青山さんという営業さんの指導を受けた。 「まあ、何でも勉強ですよ。 気楽に子供のお母さんと話すれば、結果は付いてきますから。」 彼はそう言いながらも、ウルトラCの戦法を持っているというウワサが有る。 マスクも人当たりも良いからな、お母さんのほうからアプローチしてくるんじゃないかな? 気づいたのは、子供の教育に熱心なのは、お父さんよりはお母さんだ。 私も営業相手が女性なので、セクハラとかの心配は少ないかなと思った。 「なんだ? 何を持ってきた?」 70才を過ぎたお爺ちゃんには無縁だろうが、聞かれたので受け答えをする。 「そうか、ワシには小学一年生の孫がおる! 誕生日のプレゼントに教材を送ろうかのう。」 〔いや、お爺ちゃんマジですか? 本当なら嬉しすぎるんですけど。〕 「これで、そのフルセットとやらをくれ。」 150万の札束を持ってきた。
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