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「だって、喧嘩する前は手を繋いでた!」 「よく見てたな」 「えへへ。東堂くん、芸能人の〇〇に似てるから。私好きなんだよね。シュッとしてて、優しそうで」 「へぇ。東堂、フリーになったみたいだし。今から追いかけて「付き合って」って頼めば?」 「えー。そんな図々しいよ」  沙織が「テヘヘ」と笑う。光輝は(他人のコートをちゃっかり自分のにしようとしてるその行動は図々しくないのかよ)と、心の中でツッコミを入れている。すると、 「あ、わかった!」 と、再び沙織が手を打った。 「ポケットの中は実は異空間と繋がっているの!」 「はぁ?!」 「でね、手を入れると引き摺り込まれるの。入ったら二度と帰れなくなる。だから彼女は嫌がった!」 「沙織の思考が異空間に引き摺り込まれてる。ついてけないんだけど」
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