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 東堂を含めて沙織達三人は再びファストフード店に戻っていた。高校生で気軽に入れる店というとこういう店しか思いつかない。だって学生なのだ。お財布に優しくしなければ……。  光輝と東堂はコーヒー。沙織はフラッペを手にテーブル席に座る。 「実は今日、うちの親に彼女を紹介したんだ。生涯を共にしたい相手だと」  東堂の予想外の発言に、沙織と光輝はあんぐりと口を開ける。 「結婚したいってこと?」 「まだ結婚できる歳じゃないよね?」  沙織たちが口々に言うと、東堂は頷いた。 「うん。でも、婚約なら何歳からでもできる。まずは母に彼女を紹介してことを運ぼうとしたのさ。そしたら、彼女のこと、僕より随分歳上だからって言われて」  東堂はすっかり打ちひしがれている。 「な、東堂、俺たちはまだ若い。焦る必要ないと思うけど」
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