6人が本棚に入れています
本棚に追加
2
東堂を含めて沙織達三人は再びファストフード店に戻っていた。高校生で気軽に入れる店というとこういう店しか思いつかない。だって学生なのだ。お財布に優しくしなければ……。
光輝と東堂はコーヒー。沙織はフラッペを手にテーブル席に座る。
「実は今日、うちの親に彼女を紹介したんだ。生涯を共にしたい相手だと」
東堂の予想外の発言に、沙織と光輝はあんぐりと口を開ける。
「結婚したいってこと?」
「まだ結婚できる歳じゃないよね?」
沙織たちが口々に言うと、東堂は頷いた。
「うん。でも、婚約なら何歳からでもできる。まずは母に彼女を紹介してことを運ぼうとしたのさ。そしたら、彼女のこと、僕より随分歳上だからって言われて」
東堂はすっかり打ちひしがれている。
「な、東堂、俺たちはまだ若い。焦る必要ないと思うけど」
最初のコメントを投稿しよう!