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「僕が怪我したとき処置してくれたのが彼女で。あ、医師なんです。僕が所属しているサッカーチームのチームドクターで」 「東堂、プロサッカーのユースなんだ」  光輝が挟んだ解説に、 「凄……」 と、沙織は息をのんだ。  顔が良くて、家柄が良くて、将来サッカー選手になるかも知れなくて……これでモテない方がおかしい。東堂くんって本当に校内の有名人なんだ、と沙織は納得する。じゃあこれって、有名人のスキャンダルってこと? しかもわたしたちしか知らない……。うわ、なんて美味しいんだろう!  (東堂には悪いけど)……沙織は内心ワクワクしてきている。 「そういえば彼女さん、コートのポケットの手を入れられるのを、すごく嫌がってた。何かヒントがあるかも」 と、沙織は着ているコートのポケットを指差した。
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