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「来るのが遅い! ついたくさん注文しちゃったじゃん」 と、責められ、沙織の待ち合わせの相手……八田光輝は、「え? 俺のせい?」と目を瞬かせた。 「しょうがないだろ。先生の話が長かったんだから」 「可哀想。平日は学校、休日は塾。そんなに勉強してどうするのよ」 「俺の頭が良いから、学年が違う沙織さんに勉強教えられるんだろ。このままじゃ三年の授業についていけそうにないから、勉強教えて欲しいって言ったの、誰だっけ?」 「……うぅ、私です」 「それなら、残りはバッグに入れて。図書館行こうか」  光輝がささっと包装紙に包まれている二つのバーガーを沙織のバッグに放り込む。流れる動作で自分の手を引いて立たせようとした光輝に沙織は、 「じゃ、そのコート貸して!」 と、言った。
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