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――これは……!
直感で何か『嫌な予感』を感じ取った私は、直ぐにメールの署名欄に記載されていた携帯電話の番号に電話をかけてみた。
しかし――。
プルルルルルルル、プルルルルルルル……。
呼び出し音が延々と鳴り響くだけで、一向に繋がる気配はない。
業を煮やした私は、同じく署名欄に記載されていた――恐らく固定電話のものであろう、もう1つの電話番号にも電話をかけてみる。
プルルルルルルル、プルルルルルルル……。
相変わらず、無情に鳴り響くコール音。
しかし、数コールの後、
「……はい……?」
ガチャリという機械的な受話音の直後、やけにくぐもった様な――大変失礼だが、疲れた様な印象を受ける声の男性が電話に出る。
(……そう言えば、投稿者は同棲を始めたと言っていたっけ)
――であれば、この電話に出ている相手は、恐らく投稿者の同棲相手なのだろう。
私は、極力怪しまれない様……努めて平静を装うと、慎重に言葉を選びながら、男性にゆっくりと話し掛けた。
「あの。私、月刊『あなたの隣の怖い話』編集部の高橋というものなのですが。本日、佐藤様にご投稿頂きました内容につきまして、是非、詳細を伺いたくご連絡をさせていただきました」
――ご本人様は、現在、ご在宅ですか?
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