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で、あれば……私と真知子ちゃんが遊んでいたあの廣瀬さんは、一体『何』だったのだろうか。
まさか本当に――彼女が自分で言っていたように、独りが寂しくて……死んだ廣瀬さんが私と真知子ちゃんを迎えに来たのだろうか。
廣瀬さんの遺体も火葬されてしまい、真知子ちゃんも亡くなってしまった以上、私には調べる術は何もない。
が、そんな私を嘲笑っているかのように――廣瀬さんが私の右頬につけた傷は、5年経った今でも、全く薄くなってすらいないのだ。
そうして、この傷を見る度に、私は真知子ちゃんの最期と、廣瀬さんの『あの言葉』を思い出すのである。
――「こノ事ハ誰ニも話したらダメヨ。バラしたら、直ぐに迎えに来ルカラネ。ネェ、絶対ニ秘密ダヨ?」
【完】
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