私のトモダチ

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それから1週間後のことだ。 私と真知子ちゃんが廣瀬さんのおうちを訪ねると、ご両親はお留守で――なんと廣瀬さん本人が出てきたではないか。 彼女は、私たちの来訪を心から喜ぶと、中に通してくれる。 そうして、いつものようにお人形を出し、一緒に遊ぼうと声をかけてくれたのだ。 私も真知子ちゃんも、正直、何事も無かったかのように振る舞う廣瀬さんを最初は不審に思っていた。 なんせ、高層階まである団地――その屋上から落ちたというのに、目の前の彼女には傷一つ無かったのだ。 包帯も一切巻いていなければ、どこかを痛がる様子も全く無い。 あんなに大事件だったというのに……。 これでは、私と真知子ちゃんが不審に思うのも無理からぬ話だ。 しかも、実はクラスでは、『廣瀬さん死亡説』まで流れていたくらいなのである。 というのも、偶然同じ団地に住んでいたクラスメイトの一人が、無残にも地面に叩き付けられた廣瀬さんを目撃していたらしく、頼まれてもいないのにその様子を克明に語ってくれたのだ。 しかし、廣瀬さん本人が言う事には、 「偶然真下にね、引っ越しで布団を運んでいた布団屋さんのトラックが停まっていたのよ。その布団の海に落下して、とっても軽傷で済んだの」 とのことらしく……。 (果たして、そんなに上手い偶然があるものなのだろうか――?) チラリとそう思った当時の私。 けれど、仲良しの友達とまた遊べることが嬉しくて――私は、自分が感じた疑問に蓋をした。 何も気付かなかったフリをしてしまったのだ。 そうしてその日以降、私達はまた、放課後に廣瀬さんの家に集まるようになった。
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