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「はぁ、はぁ……はぁっ……」
「ーー………気持ち良かった……?」
「…はぁ…はぁ…………、バカっ…
さ、最悪……こんな、………て、手の中に……、
いやだ、………バカ……うぅ……」
顔を真っ赤にして、震えながら涙ぐむ夕人。
それはたとえようのない恥ずかしさと、嫌がりつつもあっさりと速生の手の中で達してしまったことへの自分の情けなさからで……。
明々とした部屋の中。
まだ昨日、久しぶりの再会を果たしたばかりだというのにまさかこんなにも情欲的で淫らなことが行われるなんて。
ーーー本当に心の準備も何もできていないのに。
と、夕人は半泣きで速生の顔を睨んだ。
(なんて表情してんだよーーー…)
そんな夕人を見て、萎えるどころか余計に欲情を掻き立てられる速生は、夕人の肩をグイッと掴んで再び口づける。
「んっ、…んーーー…っ、ぅ、んぅ、っ…」
ちゅ、ちゅう、れろっ、とわざとらしく音をたてながら艶めかしく舌を吸われ、まるで甘噛みするように上唇に歯を立てられその度にびく、びくと身体を震わせてしまう。
「ふぁ、っ……息、できなっ……ん、ふぅ…っ
はや、っ…ぅっ……」
口の端から唾液が漏れてしまいそうで、早く拭き取りたい、なんて変なことばかり考えて…思考回路までもどんどんおかしくなりそうで。
唇を離したかと思えば、今度は首筋にれろ…ぬるっと舌を這わす。
「はぁ…っ…ゆうと、いい匂い…。
好き…やばい、……もう、俺…本当おかしくなりそう………」
そう言って速生は、首筋からつつー…と焦らすように唾液で舌を滑らせ、鎖骨に吸い付く。
頸から耳にかけて、歯を立てては強く吸ってを繰り返し、どんどん、夕人の白い薄肌に、紅く小さな跡が増えていく。
「んっ……ゃ、いたっ……ゃだ…っ、はや、っ…」
「痛い…?ごめん……はぁっ、夕人……」
“ごめん、”と言いつつもまったく止める素振りも見せず、むしろその夕人の感じる艶声で余計にも昂ってしまい、耳の淵に沿って舌を這わし、ぬる、ちゅう…といやらしい音を立てる。
”もっと感じて…”と囁くように。
「あっ、あ…、っ…、ばか、ゃめっ……、」
「… はぁ、っ…ゆうと……………」
唇を離した速生は、夕人の潤んだ瞳を見つめて、濡れた唇を親指で優しく撫でた。
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