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 たった一週間だった。表情や対応を判断材料に、医師が下した入院期間である。たった一週間で、シオンは地獄に放たれた。  こんな短期間で、傷が癒えるわけがない。覚悟した通り、シオンは更に塞ぎ込むようになった。死した心が目に見えるまでに、シオンはシオンらしさを失ってしまった。 「お願いスグリ、死にたいの。殺して……」  増えた口癖が消えないまま、一ヶ月、二ヶ月と過ぎていく。鉛筆もコードも、武器になりそうなものは全て隠すか加工した。 「私はあんな男の子供なんて産みたくない」  何度も何度も、シオンが死ぬ方が嫌なのだと訴えた。 「産んだら子供をみる度に苦しくなる」  ならば、シオンの前から隠すと約束した。いっそ僕が殺すとも告げた。 「違う。この体を見る度、生まれてきたことを恨んでしまう」  でも、僕の言葉は死んだ心に引っ掻き傷さえ残せなかった。 「もう嫌、死なせてよスグリ……殺してよ……」  毎日、遠ざけたい死を求められ、僕まで可笑しくなりそうだった。いや、侵されるのは時間の問題だった。
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