2/3
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
 がもたらした影響は、かなり大きかった。  突然泣いたり嘔吐したり、体を小刻みに揺すったり――シオンの中、時間のループが起こっているのは見てとれた。  すぐにでも助けを差し伸べたい。心を楽にする言葉をあげたい。願いながら、何も言えなかった。脳で溢れかえる膨大な言葉から、適切な一句を選び取れなかった。  僕が出来ることは、休職しシオンの気を反らすことだけだった。  告白を待つべきか、こちらから訪ねるべきか。何百回も思考を行き来しながら。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!