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朝起きたら
なんだか様子が変だ。
みんな大きく見える。
いや、私が小さいんだ。
なんで?なんで??
それも、家の中じゃない。
外でこの大きさって危険じゃない?
嫌だ!カラスが見てる。
食べられちゃうよ。
ぶるっと震えが来た。
ようやくカラスの目の届かない所に隠れたと思ったら
そこには桜カットされた保護猫がいた。
いつも、見ている。可愛い声で泣く猫。
ちょっとほっとしたのが馬鹿だった。
今の私は猫の捕食対象だった。
あぁぁ、いつも見かけているんだから餌をあげておけばよかった。
いつだって、決まって餌をあげている人がいないこの地域の保護猫はお腹を空かせている。
猫ににらまれたネズミのように震えたが、ネズミほど速くも逃げられそうにない。
でも、と思って猫に後ろを見せた瞬間私は宙に浮いた。
あぁ、最近、この辺りにいるって聞いた。
猛禽の小柄な鷹。
鳩のひなが喰われてたって聞いた。
でも、何もしなかった。
あぁぁ、このまま巣に運ばれて喰われるのか。
あの時何か手を打っていれば。。。
鷹に掴まれたままもう、私は震えることもできない程に体を強く捕まれ、ぐったりとしていた。
【了】
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