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お盆が過ぎた頃、流星群が近づいていて、最接近の日の晩に航は断られたらバツが悪くなる覚悟を決めて、響を街の丘の上公園に誘ったら、一瞬響は戸惑いを見せたけれども、それは航に気付かれない程度だった。
響を連れて歩いたら、周りがみんな振り向くだろう。
それでも響は、いつも慎ましくいるだろう。
その晩、響は躊躇いもなく航と腕を組んで、人の多い夜の公園のベンチに座っていた。
互いに夜空を見上げて、流れ星を探した。
幻かと思うほど、一瞬ではあったが、星が流れるのを航は見つけた。
「ほら、あそこ!」
航が指を差して響の方を向くと、響はいつの間にか泣いていたのだろうか、響の瞳は潤んで、小さく鼻を啜り、それがバレたのを、バツが悪そうにした。
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