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航はカウンターに肘をつき、アイスコーヒーをストローで飲みながら、身体を不自然に傾けてまで、その会話を聞こうと試みていた。
それに気付いた儚い彼女が、ふふと口元を押さえて笑った。
「ちょっと!何してるのよ!」
美代が少し怒って、客のはずの航を叱責した。
仕方なく航は姿勢を正したが、航を気になりだした儚い彼女が航の方をチラと見た瞬間に、指切りマジックやストローの包み紙で作ったものを手の平から吹き飛ばしたりした。
美代の後輩の彼女、響は付き合っていた大学の先輩が卒業して就職をしてから、全く相手にされず、メッセージの返信すら滅多に無く、大学の同期の友達から響と違う女と腕を組んで街を歩いていたという目撃情報まであるのだった。
それを久しぶりに会う美代の所に相談に来ていた訳だが、美代が何を言っても落ち込むばかりだったのだ。
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